先日、主人と公園を朝散歩していた時のこと。
たまたまイベント期間だったようで、公園の一部区画に催し物テントが設けられていた。
公園に行った時間は8時頃だったので、店のほとんどは空いていない。
店員がいる店舗でも、まだ準備は完了していない様子だった。
そのような中、開店前にお店の旗を設置し、品物の展示も完璧に仕上げているところがあったのだ。
たまたま欲しいと思っていた乾物だったので、旗が目に留まり近づいてみると、「お味見は如何ですか?」と声を掛けてくれたのだ。
こちらも、「まだ開店していないだろうけど、見てみたいな」という感覚で近づいたので、まさか味見までさせてもらえるとは思っておらず、その接客姿勢は素晴らしいなと感じたのだ。
もし、10時の開店だからといって9時頃から準備をしていたら、我々はその時間には公園にいなかった。
このお店は、どこよりも早く来て準備を完璧に仕上げ、いつお客が来てもいいようにしていたのだ。
だからこそ、神様にチャンスを与えられた。
開店2時間前にも関わらず、店舗の準備も店員の姿勢も完璧に仕上げている所に、商品が欲しい人を引き合わせるというご縁を。
途中で警備の方がいらして、「本当は10時からの営業なので、ダメですよ〜!」という声掛けと共に見逃して行ったのだが、私は感じた。
この店主が偉いと。
「開店前にお客は来ない」と思い込んでいる店舗が殆どの中、唯一旗を立て、出し物の陳列も自分達の準備もすべて完璧な状態で、尚且つお店の前に堂々と開店しているかのように立っていたからこそ目に留まり、お店側にもお客側にも、お互いにとって有意義な時間を過ごせるミラクルが起きたのだ。
お互いに会話を楽しんでいたので、それも警備員に見逃してもらえる一因となったに違いない。
どちらか一方の欲でなく、お互いに引き合うべくして引き合ったのだ。
これが、「まだお客は来ないし」という雰囲気でタバコでも吸っていたら恐らく近づかなかっただろうし、まして何も陳列していないところや開いてもいないテントには、何が売られているのかなど見向きもしなかった。
この乾物屋の意気込みの賜物だ。
「うちの美味しくて価値のある品を、いつでも最高の形でお客に届けるんだ」という信念があったからこそ、欲しそうな目をしながら近づいてきた人に堂々と接客ができ、瞬時に何種類もの商品を味見させ、お客に品を渡すことができたのだ。
準備は、早ければ早いほど得をする🍀