私たちが普段生活をしている中で、自然に行っていることがある。
それは、ユングの心理学でお馴染みの「意識・無意識・集合的無意識」だ。
意図して何かを考える意識。
意識的に何か考えなくても、自然に行動できる領域の無意識。
「なんとなくこう思う」という根拠はないけれど、ふと思う閃きや直観の領域である集合的無意識。
これらは占星術の世界で「生命の樹」として表現されているだけでなく、誰の中にも生まれながらにして存在している力だ。
認識しているかどうかだけの違いだが、どの時代にも通ずる真理がある。
この仕組みや成り立ちを理解していると、あなたの人生の幸福や願望実現にも役に立つことだろう。
意識・無意識・集合的無意識を図で表すと、以下のようになる。
10個のセフィラ(天球)と22本のパス(小径)によって構成されている生命の樹は、ユダヤ神秘主義思想カバラの最も重要な図形だ。
生命の樹は、魂を表す地図のようなものであり、相互に関連し合っている。
10番のマルクトは、私たちの肉体である自我を示している。
10番から1番の神へと上昇する道は、小宇宙である人間が大宇宙である神と統合することを意味し、「大作業(グレートワーク)」や「賢者の石」と呼ばれている。
マルクトにいる人間が樹を見上げた時、直接神を見ることはできない。
そこで、6番のティファレトたるハイヤーセルフが神として認識される。
ここは無意識の領域であり、あなたの内なる声とも言える。
9番イェソドは、創造的なイメージの世界であるアストラル界。潜在意識への扉だ。
私たちの意識(顕在意識・自我)は、物質世界のマルクトにあり、イェソドを通して様々な領域へと繋がっていく。
イェソドがしっかりしていることで、より明確にあなたの願いが上のパスへと飛翔し実現する。
基盤はとても大切だ。これは身体も一緒。
あなたは運を強めるために、丹田を鍛えると良いという話を聞いたことはないだろうか。
丹田は、おへその少し下に位置する気の通り道。
これはまさに、基礎固めのことを意味している。
身体の基盤となる場所を鍛え強めることで気の流れが良くなり、運気の良さをスムーズに実感できるようになるという仕組みだ。
あなたの願いをより強固にし、自信と確信と期待を込め、実現を許容し可能にするためには、身体でも基盤を意識するといいということ。
加えて、普段物質世界のマルクトにいつつ、無意識の領域を気に掛けることも大切だ。
あなたからハイヤーセルフに意図して語りかけ耳を澄まさなければ、あなたを導く無意識の領域からのメッセージが受け取れない。
あなたが心を開き、生命の樹を大きく見開くことで、他のパスとの繋がりも強固となり、あらゆることがうまく行き始める。
気の流れが、どんどん良くなってゆく。
生命の樹の一番上に位置するケテルは、神であり真の自己。
超越的自我、悟りの領域である。
自分が自分であること、相手が相手であることを真に理解し許容できている領域だ。
生命の樹を一つ一つよくご覧になるとお分かり頂けると思うが、知識や知恵をつけ、理解力があるだけでは意味がなく、勝利や栄光だけでも、悟りの領域には至らない。
人は、生命の樹を磨き続けてこそ、物質的にも精神的にも満たされるようになっているのだ。
生命への愛、自然界や宇宙との繋がり、目に見えないものへの敬意はさることながら、広い愛と寛容な心、自分を律する心も大切になってくる。
特に、ハイヤーセルフたるティファレトは、太陽のように光を放つ存在だ。
太陽の光は、万人に光を当てている。動物、植物、鉱物など関係なく、いつでも温かな光を放っている。
大きな愛を意味するセフィラが無意識の領域の中央に位置していることから、ティファレトを意識して自分の人生に活かすことで、あなたの願いが叶いやすくなる。
なぜなら、ティファレトは潜在意識。
あなたの願いを宇宙に届け、実現させてくれる場所だから。
意識や無意識という言葉の裏には、このような神秘的構造がある。
そして、願いを叶える潜在意識の領域についても、生命の樹レベルで理解していることで、自分が今どこに重きを置けば良いのかも自然と見えてくるようになる。
余談だが、この生命の樹にはタロットカードがそれぞれのパスに一つずつ配置されており、意味を成している。
タロット占いは、単なるスピリチュアルの領域に留まらず、潜在意識の声を絵や文字で表現し、意識、無意識、集合的無意識を踏まえた上で、魂の扉を開く構成要素として現在の心の在り方を伝えてくれる神秘的なものなのだ。
意識や無意識は、生きている間に誰もが自然と行っていること。
ここに、あなたの願いを叶えるエッセンスがたくさん詰まっている。
一つ一つを丁寧に感じ取り、その力を味方にしてみよう。
もの凄い力を秘めた地図が、あなたの中にいつでも備わっているのだから🍀