イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に行ってきた。
とてもインスピレーションを得たので、シェアしたい。
大人になってから絵本をまじまじと見ることは、絵本制作のお仕事をなさっている方や子供への読み聞かせ以外では、あまりないだろう。
しかし、この展示会で様々な作品を見るにつれて、絵本には生きることの意味や日々の幸せの気づき方など、大人だからこそ学べることがたくさんあると知った。
子供向けの絵本ならではの分かりやすさやシンプルさ。
見ていて楽しい色使いや可愛いキャラクターの動きなどから、閃きを得やすい。
普段は気づかなかった視点から、見えてくるものが多いと感じた。
枠にとらわれない発想と大胆な表現方法。
「どこまでも自由で良いんだよ」「ありのままで良いんだよ」と語りかけられているようだった。
印象に残った作品は、動物の家族がそれぞれの家に帰るところを描いた作品だ。
それぞれの世界があること。それぞれの生き方があること。それぞれの幸せの形があることを再認識する作品だった。
他にも印象に残ったものは、一つの人生に終わりが来た後も、残っている者たちはまた日常が始まっていく作品。
楽しく過ごしているようで、何か物足りなさを感じている姿。
全く同じことなど何もない。
一人一人の存在意義や日々の有り難みを、まじまじと感じさせてくれる作品だった。
これら以外にも、見応えのある作品が多彩に展示されていた。
絵本の原画が飾られた一つ一つの作品には、言葉は描かれていなくとも、世界観を味わえる。
まさにその絵の中にいるかのような臨場感や高揚感、一体感を感じられる。
絵だけでこんなにも内容が伝わり、心に響く作品たち。
色使いや描写の仕方によって、全く個性が違ってくる。
この国際絵本原画展では、世界中の絵本が集結していた。
言葉が外国語で理解できなくても、絵を見るだけで内容が何となく分かるところが面白い。
国によって生活観や価値観が違くとも、作品から伝わるメッセージはどこの国も感動ものだ。
一枚の絵に、どのような色合いでどのような物語を作っていくのか。
たくさんの人物を描写するのか、シンプルにするのか。
作者の魂の声が、国を越えて聞こえてくるようだった。
きっと作者も自分の持てる力を出し、自身の中で考えていることや伝えたいことをどうしたらうまく伝えられるか、物語に躍動感と感動を乗せ届けられるかを考え、自分なりの表現方法をしているのだろう。
遠慮せず、我慢せず、ありありと自分が表現したいものを表現している。
我々も、もっと自分の考えを表現して良いのではないだろうか。
自分自身を、もっと表現して良いのではないだろうか。
作家が、周りを気にして自分の表現方法を我慢していたら、このような素晴らしい作品は世に出ないだろうし、感動も与えられない。
自分の良さを解放すること
ありのままに表現すること
自分にしか生み出せない作品を作ること
自分だからこそ出せる世界を表現すること
絵本のように、素直な思いや自分なりの色合いと表現方法で、ありのままの自分を出すことが大切ではないだろうか。
その姿を良いと思ってくれる人は、必ずいるのだから。
そんなことを感じた時間🍀