とある目的地に向けて、片道1時間20分かけて歩いて行ったことがある。

電車なら30分、車なら20分の距離である。往復なので1万6000歩以上の歩数になった。

 

あえて歩いて向かうことにしたのは、その道中をも楽しむためだ。

電車や車では通らない道を歩きながら、風を感じ、空の美しさを堪能する。

 

道端の木々や花、商店街や住宅街を見たりと街全体の素敵な景色を愛でつつ、「この道はここに繋がっていたのか!」と知る発見がまた面白い。

すれ違うだけの人であっても、気遣いのある優しい愛ある方々と出逢うこともあり、ほっこり心があたたまる。

 

何より、時間をかけて歩を進めると、身体が健康に動くことへの感謝をより実感できるのだ。

 

吸い込む空気さえも、有難い。

 

当たり前のものなどこの世には何一つないのだと、身に沁みて感じる瞬間だ。

 

 

確かに時短と効率はお金で買えるし、目的地で買う予定のものをネットを通して手にすることも可能だろう。

なんでもすぐにできる時代だからこそ、あえてじっくり時間をかけ、尊い一瞬一瞬を感じ取る静けさも大切にしたいと思っている。

 

そう思えるようになれたのは、ジーン・ウェブスター(西田佳子訳『あしながおじさん』を読んでからだ。

 

ここに、その言葉の一部をシェアしたい。

 

 

わたし、幸福になるひけつをみつけました。それは、いまを生きることです。

 

過去をいつまでも悔やんだり、未来に期待するのではなく、いまこの瞬間をできるだけ大切にすること。

一秒一秒を楽しみつつ、自分が楽しんでいることそのものを楽しむのです。

 

多くの人々は、生きるのではなくただどこかへ向かって急ぐことに夢中になりすぎて、息を切らし、穏やかで美しい田園風景をめでることもせず、ただそこを通りすぎてしまう。

そして気づいた時には年を取って疲れはて、ゴールにたどりついたかどうかなんてどうでもよくなってしまいます。

 

私は歩く道々で腰をおろし、小さなしあわせを積みあげていきます。

 

この美しい言葉が、競争や比較、流行といった忙しない社会の流れにだけ目を向けていては決して気付けない視点を私の人生に与えてくれただけでなく、日々の尊い奇跡の積み重ねの中には、そこでしか味わえないかないかけがえのない瞬間があることを思い出させてくれた🍀

 

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