引き寄せの法則に出会う人は、みな願望がある。
どうしたら自分の願いを叶えられるか苦心している最中、「明確に夢を思い描きさえすれば、なんでも実現する」という言葉に心躍り、イメージングやアファメーションをしていく。
そして、あらゆる欲望を引き寄せることができると、もっともっとと次なる欲望を満たすべく引き寄せの法則を使っていることだろう。
それらを行なっていく中で、ふと疑問を抱く人もいる。
「叶うものもあるけれど、叶わないものもある」
「何かを成し遂げても、どれほどのものを得ても、なぜか心が満たされない」と。
その感覚は、引き寄せの法則をも超越する力を知るタイミングに来ている合図なのだ。
「願いが叶わないのは自分が妨げているからだ」とか、「願いのイメージがあやふやだからだ」などと自分を責めたり、「もっとコーチングを受けなくては」と迷走しなくても大丈夫。宇宙に、あなたの願いが届いていないわけでもないのだ。
あなたにとって本当に必要で大切な物事は、宇宙の崇高な流れによって既に選ばれていて、然るべきタイミングでやってくるようになっている。
あなたがどれだけイメージングをしようと、アファメーションをしようと、それがエゴである限り、あなたが心から満たされることはない。
たまたま何かが実現したとしても、その幸せは一時的なもので、今度は得たものの喪失を恐れたり、更なる獲得に奔走するようになる。
それがエゴの怖いところであり、引き寄せの法則の扱い方を真に知らないことで起こる悲劇。
エゴで突き進めたものは、どのような結果になっても煩悩を積む。
煩悩による潜在印象が積まれると、煩悩を満たす行為へと導かれ、そしてまた煩悩を積み、それを満たす行為へと、永遠の輪廻に取り込まれてしまう。
そして気づかぬうちに、自分を生かしている存在がいることへの有り難さを忘れ、神聖なその存在に対して「もっと自分の願望を叶えてくれ」とまで言い始めてしまう。
すると、どこかのタイミングで、神のエネルギー調整が強制的に行われて、今まで得たものや目指してきたものが幻夢であると実感させられてしまうのだ。
日々、前向きで積極的で肯定的な思考、言葉、行動をするのは素晴らしい。
良い気分で過ごすことも大切だ。その波動が、次なる幸を引き寄せるから。
そして、自分の願いを叶えたい、叶える方法を知りたい、引き寄せの法則を知り実践した、けれどなぜか疑問が湧く。
この段階まで来たら、自分を生かしている存在に奉仕する時期。
あなたの魂が、それを欲している。
今世、この時代にこの身体に宿り、今を生きているのは、神の崇高な計画があるからこそ。
神という考えが好みでない方は、宇宙でもいい。
万物は、宇宙の流れの中で表出した一時的な現象であり、人間のエゴなど宇宙から見たら全く取るに足らないもの。
あなたが引き寄せているのではなく、あなたを生かしている存在が、あなたの魂の成長にとって必要な物事を引き合わせてくれているにすぎない。
良い悪いもなく、ただ、あるがままなのだ。
あなたには、今世あなただけのお役目があり、今世の履修課題であるプララブダカルマがある。
これは万物に課せられた宿題。
幾千回もの転生の中で積まれた煩悩を滅すべく、心身の浄化と魂を進化向上させるために起こる課題であり、一人ひとりに異なるもの。そして、引き寄せの法則とは全く関係なくやってくる、宇宙のみぞ知る崇高なもの。
これがあることを知らずに引き寄せの法則だけを行い続けると、エゴの自分は夢に向かっているように感じていても、知らぬ間に更なる煩悩を積むことで、実は苦へと進んでしまうのだ。
いつまで経っても、なぜか心から満たされないという苦に。
大きな海が宇宙だとすると、我々万物は、そこに浮かぶ波にすぎない。
波は海の一部であり、海に一時的に存在するもの。生じては消え、高い波を作る時もあれば、低い波の時もあり、やがては本源の海へと回帰していく。
この世では姿形が違って見えるけれど、すべては大元の海で繋がっていて一体。
このように、万物は誰一人としてこの海には逆らえない。
だからこそ、海である万物の本源に奉仕した方が、ずっと楽に本来の幸を享受できるのだ。
他の考え方としては、サーフィンをイメージしてみるといい。
彼らは波の動きを読み、自分が演じたい技を決めるに相応しい波が来るのを待っている。
早く波に乗りたいからと勝手気ままに突っ込んで行くよりも、波の流れに身を任せて、その中で自分が今できる最高のパフォーマンスを行なっている。
執着せずに適切なタイミングで波に乗らせてもらっているから、うまくいく。
それと同じだ。
つまり、エゴで「あれが欲しい」「これを叶えたい」という視点で引き寄せの法則を使い、神や宇宙を使うのではなく、「自分を生かしている存在に奉仕します」という神や宇宙に遣ってもらうという視点に切り替わると、あらゆる豊かさや愛を受け取るパイプを開通することになる。
エゴで縛りつけていた制約がなくなればなくなるほど、神があなたを通してアクションを起こし、神が届けたい場所へ神のお金や愛や豊かさを通し、あなたを介して神のお金や愛や豊かさを受け取り始める。
好き嫌いなどの好みがあるのはいいけれど、そこにすら執着しないようになるほどに神の流れと共鳴する。
なぜなら、万物を司っているのは神のみなのだから。
神というのは、何も神社仏閣にいるような現世利益的神ではない。
宇宙をも成した万物の本源、豊かさの本源であるブラフマンのことであり、インドの経典では通称クリシュナと言われている存在のこと。
驚くかもしれないが、その存在が、あなた自身なのだ。
それを真に感じるほどに、「これが好き。でも、手に入っても入らなくても、自分は神によっていつでも満たされている」と思えるようになり、本当にそうなっていく。
どこからともなく、自分にとって本当に必要なものが満たされ始める。
エゴで思い描いたものなど、たかが知れているのだ。宇宙の視点から見れば。
そして、行為の内容や結果に執着しなくなり、何かを得てもそれが歓喜するものであれ喪失するものであれ、執着しなくなる。
すべては、神よりもたらされ、神のもとへと戻っていくものだと実感できるからだ。
あらゆる言動が神への捧げ物となり、結果も神のもの。
そして、日々善性的に生きることで更なる善なるものを引き寄せ、幸を感じるものを得ても謙虚に受け取り、何が起きても自分の魂を磨くに相応しい現象なのだと有り難く受け取れる。
すると、今まで感じていた苦が苦ではなくなっていき、神の神聖さと合致することで、神の豊かさの源と共鳴していく。
このような考え方になるほどに、エゴによる欲が薄れていくことに気づくことだろう。
そう、あなたは神に奉仕するほどに真我である本当のあなたになっていくのだ。
あなたのエゴでは考えもしなかった豊かさや愛と繋がり、本当の引き寄せが起こる。
あなたは、宇宙の源との繋がりを思い出し、魂の声を聴くタイミングに来ている。
あなたのエゴではなく、あなたを創造した神の欲するものを欲していれば、真の流れに順応できる。
それが、引き寄せの法則であり、宇宙の法則。
見方が変わることで、あなたの人生に、パラダイムシフトが起こることだろう🍀