
手帳を開くと、ほとんどの手帳には大安や先勝といった吉日や、赤口、仏滅といった凶日が記載されている。
これらをどこまで意識したら良いのかと、悩んだことはないだろうか。
ゲン担ぎをしたいという思いや、漠然とした不安や怖さから吉日を取り入れていることもあるかもしれない。
世の中には、吉日が全く気にならない人もいれば、大安の日には安心し、仏滅の日には緊張する人もいる。
手帳に元々記載されている吉日以外にも、一粒万倍日や天赦日、甲子の日など、他の吉日も意識している人もいる。
今回は、吉日に対するあなたの視点がひらける話をしていきたい。
吉日とは、縁起の良い日だ。
目には見えないエネルギーが増し、流れがスムーズ。
良い縁が良い縁を繋ぐなど、波動の高い日とお考えいただけると分かりやすい。
何かに挑戦したり、契約したり、実行するなどの行動を起こすのに適しており、物事が成就しやすい有難い日である。
ではその反対に、凶日は怖いものなのかというと、そのようなことはない。
実は、何も恐れる必要はないのだ。
自分を客観視したり、自分を律するのにとても良い日なだけ。
凶日に気をつけることがあるとするなら、普段とは違う自分が出る可能性があるということ。
例えば、一言余計なことを言ってしまったり。
ふとした時に、周りに合わせて自分らしくないことを口にしてしまったり。
少し気が緩んだ時に、場にそぐわない砕けた言葉遣いをしてしまったり。
いつもならできる気遣いや配慮が欠けてしまったり。
普段なら失敗しないところをミスしてしまったり、などなど、何かが裏目に出やすいかもしれない。
けれど、それらの行動を振り返り、自分で気づければ大丈夫。
まさに凶日は、自分を振り返り律するいい機会なのだ。
どの日に何が起きようとも、あなたにとって、すべてがうまくいっている。
吉日と凶日という二元性を超越した本質は、とてもシンプルである。
あなたは日々を毎瞬を大切に、吉日でも凶日でも感謝しながら魂を磨き、高め、自分のお役目を果たしていけばいい。
ちなみに、この文章を執筆している本日は赤口だ。
今日一日の私の流れを振り返ってみると、確かに「あの時、もう少し違う言い方ができたな」と思った瞬間があった。
ただ、それは凶日に限らず、いつでもどこにいても何をしていても同じこと。
自分の感じ方、そして活かし方次第というわけだ。
今日生まれた価値ある命もあることだろう。
今日、好きな人から告白され両思いになった人もいるかもしれないし、自宅で家族と幸せな時間を過ごしている人もいる。
吉凶日に関係なく、かけがえのない瞬間が、いつでもどこにいても流れている。
それを感じ取れるかどうか。
幸せを今、見出せるかどうか。
確かに吉日は、歴史のあるものだ。
吉日の起源や運勢の流れを読み解くようになった歴史を調べると、何世紀も前から世界各地で目には見えない流れを探求していたことが分かる。
暦や月の満ち欠けをも意識し、いつ食料の種を蒔くかといった生活リズムの構築、いつ敵軍に攻め入るかといった戦術にも占星術は使われてきた。
カレンダーという語源も惑星の公転周期が由来となっていることから、日常からは切っても切り離せないものではある。
とはいえ、大安の日でも調子が出ないことはあるもの。
体調を崩したり、怪我をすることもある。
吉日がいくつも重なる超幸運日に婚約をしても、今世別れることになっている運命にある人は別れる。
それが世の常だ。
先人たちが試行錯誤をして見つけてきた叡智を尊重しつつも、時代は常に変革し、進み続ける。
そこに生まれ出る魂は、幾千回もの転生の中で学びを深め、成長し続けていく。
だから、吉日や凶日を気にしすぎて、今この瞬間を生きているあなたが動けなくなってしまっては本末転倒だ。
正直なところ、人には誰にでも12年の内に2年間回ってくる年天中殺や、12ヶ月の内に2ヶ月回ってくる月天中殺、12日の内に2日間回ってくる日天中殺というものがあり、吉凶日や厄年とも別でやってくるエネルギーの流れがある。
大変なことや辛いことがあると自分だけと思うかもしれないが、良いこともそうではないと思うことも、皆それぞれに経験するようになっていて、万物にあるエネルギーの流れの一部なのだ。
これはいわば、海の波のようなもの。
波は、大きな波を作る時もあれば、漣のこともある。押しては引き、また押しては引きを繰り返す。
押しっぱなしはなければ、引きっぱなしもない。
どちらが良い悪いもなく、意味のある時が、そこにあるということ。
人それぞれに、今世のカルマ(履修課題)があり、色々な事象が重なり、入り組んでいる。
それを一つひとつ丁寧に、順番にこなすことで次なる道がひらき、至っていく境地がある。
これらを知った上で、吉日を気にしたり、運の流れを味方につけたいと思う時には取り入れてみてもいいだろう。
もし、吉凶日を超越した声があなたに聴こえてきていたとしたら、それを聴くタイミング。
他の誰でもなく、あなたの内側から聴こえてくる声は、魂の声そのもの。
絶対的指針は、いつでもあなたの中にあるということを思い出すために、あらゆる試練や苦楽があるといってもいいくらいなのだ。
だから、何かや誰かに依存して、あなたの運命を縛りつけなくても大丈夫。
あなたの感覚に勝るものはないということを、お忘れなく。
先人たちの叡智に頼ってもいい。
あなた自身の内なる声を聴いてもいい。
安心して、もっと自由に本来のあなたを解放させてみよう。
どの選択をしても、あなたの魂にとって必要な景色が見える。
あなたが辿り着くべき場所へと、日々導かれているのだから🍀





