7惑星の中で最も地球から離れており、29年の公転周期を持つことから1つの星座に約2年滞在する土星。
占いの世界で土星は、33年に一度の最大の転機をもたらすと言われたり、人生に悪い影響を与える凶星マレフィックとして考えられたり、制限や終焉、悲しみや問題といったネガティブな要素として捉えられがちだ。
マイナス面を把握するのは悪いことではないのだが、それが原因で人生に消極的になってしまったり、怖がってしまうのでは本末転倒。
今回は、あなたの人生にとって前向きになれる土星の捉え方をお伝えしたい。
土星は、生命の樹と呼ばれるユダヤ神秘主義思想カバラの中に存在する、ビナー(理解)のセフィラに属する惑星だ。
ユングの心理学では集合的無意識の領域であり、神へと至るルベド、悟りの領域に位置している。
つまり土星には、忍耐や努力の先にある達成する喜びや、道中での心身の鍛錬と魂の成長、そして目の前の課題を乗り越えることで道が拓き、人格者としてのオーラを放つことができるという素晴らしい力があるのだ。
生命の樹
多くの人は、自我の領域であるマルクトにいる。
日々私利私欲に翻弄され、なぜ自分がこの世に生まれ出たのかを悟ることもなくこの世を去り、また新たな身体に宿ることで苦楽を繰り返す。
生きている中で楽があれば歓喜するものの、苦がくれば猛烈に抵抗してしまう。
それはまさに、自我であるエゴが物事の表面だけを捉えているから。
エゴが良い悪いを感じ分けているだけで、本当はいつでも中庸なのだ。
中庸は、陽と陰の間にある波動領域のこと。
天秤が均衡を保っている状態をイメージをすると分かりやすい。
良い悪いや、好き嫌い、正解不正解の奥にあるもの。
それらを感じ分けることは人間としてごく自然なことなのだが、ありのままを受け入れて執着せず、どのような現実にも意味があり価値があるということを知る過程が用意されている。
これらの神聖な質に心から気づくために、試練があるといってもいいくらいだ。
人生の中では誰しも波がある。
その波の強弱はそれぞれの魂の成長によって異なり、今世の履修課題であるカルマによっても違う。
しかし、良い悪いを感じ分けているのは自我であるエゴのレベル。
あなたの身体に宿る真我である魂は、あなたがこの世に生まれ出た時から、あなたが成すべきお役目をご存知で、いつでもあなたを導いてくれている。
けれど、エゴの視点からこの世を見ると、ついついエゴを優先させてしまうのが人間というもの。
そこで、あなたを創造した神は、あなたに本当のあなたになってもらうべく、本心に気づいてもらうために試練を与えるというわけだ。
それがエゴのレベル(顕在意識レベル)でどれほど大変でも、辛くても、悲しくても、嫌でも、あなたの魂のレベル(潜在意識レベル)ではすべてがうまくいっていて、あなたの心身が浄化され、魂が進化向上しているに過ぎない。
業が果たされれば、つまり今この現実での必要な学びが完了した時、あなたは次の道へと導かれる。
今、この瞬間にある有り難さや感謝を見つけるという過程は、忍耐を要するかもしれない。
許せないことや怒りが込み上げること、理想と現実の間で葛藤することもあるかもしれない。
そのような時こそ、土星が宇宙からエネルギーを送ってくれている合図なのだ。
真のあなたになれるように。
エゴからなるあなたではなく、魂が煥発された本当のあなたになれるように。
それが一見大変なことであっても、広大な宇宙からの愛だから、今までのあなたではなく神が創造したあなたで今を対応できた時、本当のあなたが表出する。
あなたの内側から神の豊かさや愛の波動が放たれれば、あなたの現実があなたにとってより良く変わっていくのは自然の流れ。
まさに、あなたという唯一無二の価値が光り輝き、神の崇高なエネルギーと共鳴する瞬間だ。
ここでの神は、世の中に知れ渡る現世利益的神ではない。
あなたをあなたとして創造し今に生かしている高次元の存在であり、あなたを真のあなたとして光り輝かせる存在だ。
あなたが神の豊かさや愛そのものだということを思い出すために必要なことが、エゴの視点から見て良いことであれ悪いことで、日々起こっている。
物事の背後にある本質を見極め、魂を磨き上げるという神聖な過程を手助けする。これが土星の力。
だから、土星を怖がる必要もなければ、恐れる必要もなく、毎瞬がただあるがままなのだと悟ればいい。
あなたを不安にさせたり心配させたりするのは悪魔の手先だから、気にしないこと。
あなたの内側にある本当のあなたと共鳴できた時、あなたは自我を超越した現実を目の当たりにする。
それは、エゴでは達成されなかったあらゆることが起こったり、エゴの制約では起こらなかった良きことが起こったり、問題があっても神聖に解決されていくということ。
あなたにとっての幸せは、神の不可思議力による無限の豊かさと愛によって、確かに満たされていく。
そのためには、意識を超越した無意識へ、無意識を超越した集合的無意識へと、あなたが拓いていく必要があるのだ。
生命の樹の中で、最も至高の部分を司るケテル、コグマー、ビナー。
このビナーに土星が位置していることを考えれば、マレフィックという考え方が変わる。
星座には吉凶がないように、光と影はあれど、どの惑星にも意義と価値がある。
神聖な知識がそこにあっても、捉え方次第では良薬にも毒にもなる。
あなたは、土星のどの面を見ていく人だろうか。
何かを手放し終わらせることや、辛さや悲しみ怒りは、エゴのレベルではマイナスに映るが、真我である魂のレベルではすべてがうまくいっており、本当のあなたを煥発させるに相応しい出来事に過ぎないのだ。
また、土星にはアイディアを形にしたり、実際に行動にしていくことでモヤモヤとしていた物事を具現化させ、実現させていくというパワーもある。
人生の中で先の見えない不安や心配に駆られたり、どこかの占い鑑定で土星についてのマイナス面を指摘されて怯えているならば、今ここでその執着を手放していい。
土星は、あなたの人生の味方だ。
制約やプレッシャー、試練といった忍耐を乗り超えた先にある安定化、安心感、真の豊かさや愛は、あなたの人生に確かな成長をもたらしてくれる。
万物は、意味があるからこそ、そこに存在する。
何世紀もかけて生死を繰り返し、今、ここにある。
目には見えないけれど、お互いにとって意味があり、助け合いながら共鳴し、万物を成した根源と繋がっている。
物事のどの面を見るか。
あらゆる情報の中で、あなたの魂が本当に必要としているものは何なのか。
それを、あなたの中に宿る神である、あなたの魂は知っている。
広大な宇宙、そして宇宙をも成した根源とあなたは一つであることを理解し悟った時、あなたに真の幸と豊かさがもたらされるのだから🍀